カナダ初のECプラットフォームShopifyを通じて世界中で50万のECサイトが立ち上がっており、Shopifyを通じた累計売り上げは460億ドルと言われています。
現在ShopifyはTESLAなどメジャー企業からAnti Social Social Clubといった超人気インディーズアパレルブランドまで世界中で幅広いECに活用されています。
実際に自分でもShopifyでECサイトを構築してみて感じた優位性や可能性をまとめました。
グローバルで最適化された仕組みを利用できる
ShopifyはForbesの「誰もが働きたい人気テック企業トップ10」でイーロン・マスクのスペースX、Googleに次いで3位にも選出されており、世界中から優秀なエンジニアが集まっています。
全世界の50万店舗から集まるユーザーの行動データ・購買データから最適化された仕組みを利用できます。
自分が実際に「グローバルに最適化されている」と感じた点を以下の通り紹介させていただきます。
越境EC対応
Shopifyはワールドワイドで利用されることを前提に作られているので、当然のことながら多言語対応や送料の計算など越境EC対応しやすい仕組みになっています。
今後越境ECを見据えてECプラットフォームを選定したい場合にはShopifyが選択肢としては有力候補になりそうです。
カスタマーサポートやプロモーションなど越境ECに特化したソフト面でのサービス提供を行う企業もShopify導入を前提としたサポート体制を構築しつつあるようです。
大量なトラフィックに耐えうるサーバーリソース
Shopifyでは世界中の50万店舗から常に入り続ける大量のトラフィックや注文をさばいており、ちょっとやそっとのトラフィックの集中ではびくともしません。
例えばマスメディアに紹介されたり、人気商品の発売タイミングなどによるサーバーダウンの心配などがありません。
常に全商品完売状態のAnti Social Social Clubは世界中から注目を集めるアパレルブランドの1つ。
商品販売開始後に世界中から大量のトラフィックが集まる。
先端サービスとの連携
クレジットカードの仕組みはStripeが使われており、クレジットカードによる決済の利用も即日開通します。国内の決済代行サービス利用時に必要な時間のかかる審査が必要ありません。
また、決済情報・配送先情報の入力無しで、決済が完了できてしまうApple PayやAmazon Payもスムーズに導入ができます。
アメリカでは先行して試験導入されているInstagramのショッピング機能にも対応しており、2018年以降日本にも導入される際にいち早くInstagramに連携したショッピング体験を提供できそうです。
また、画像はcloudinaryに自動的にアップロードされ、拡大表示が必要な大きな商品画像においても表示・読み込みを速くするための工夫がされています。
Shopifyの決済方法管理画面。グローバルスタンダードとなっている決済サービスとシームレスな連携が取られている。
最適化されたフォーム
実際にShopifyを使ったチェックアウト画面に情報を入力してみると入力のしやすさを実感できます。
郵便番号は上2桁から候補を類推されたりと、EFO(入力フォームの最適化)施策が高度なレベルで行われています。
チェックアウト画面での離脱を気にすることなくECサイトの運営業務に集中できます。
Googleの提供するAPIを利用し、郵便番号を予測補助してくれます。
拡張性の高さ
Shopifyには豊富なAPIが公開されています。ECをスマートフォンアプリ化したいというご要望やWebサービスと連携させたいというご要望があった場合に、スムーズに対応することができます。
Shopifyの開発者向け画面。
ECサイトのフロントのみならず管理画面のAPIも豊富に用意され、事業者の要望に合わせて拡張しやすい仕組みになっています。
世界中から開発される追加機能用アプリケーション
Shopifyには最低限のECサイト機能しか備えられておらず、必要な機能を専用アプリケーションで追加することができます。
こちらはShopiry本体のエンジニアのみならず、世界中のエンジニアが必要な機能を開発しています。
例えば「会員登録にソーシャルログインを追加したい」「Google Shoppingに商品を表示したい」「レコメンドエンジンを導入したい」「メールマーケティングを実施したい」などECサイトに機能追加をしたいと思った時には大抵の場合アプリケーションを使って解決できます。
アプリケーションは開発元により常にアップデートされていたり、レビューにより使い勝手が分かったり、試用期間がきちんと設けられていたりと利用しやすい環境が揃っています。
追加機能用アプリケーション利用における課題
Shopifyはワールドワイドでは市民権を得ているプラットフォームになりますが、日本ではまだまだ黎明期です。日本の開発者からリリーされているアプリケーションはまだまだ少ないのが現状です。
アプリを利用する場合に説明文(もちろんユーザーサポート)も英語がほとんどです。
また氏名や住所の並び順など日本独自の仕組みに対応できておらず、「機能はいいけど表示がイマイチ」ということがあります。
現在Shopifyは日本市場でのマーケット拡大に力を入れているので、今後海外のデベロッパーが日本対応をしたり、日本の開発会社もShopify用のアプリケーションを開発することにより問題解消がされていくことを期待できます。
Shopifyと連携した豊富な機能追加用アプリケーション。今後日本向けのアプリケーションが増えることを期待。
カテゴリ: 開発
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